第11章 5億の注文がキャンセルされた

ロビーにいた連中は、そろって首をかしげた。展開が、想像していたものとまるで違う。

小山茜の様子を見る限り、有村菜津美を相手にする気が最初からない。

一方の有村菜津美は、完全に空回り。いわゆる一人相撲だ。

菜津美自身も、内心では焦りはじめていた。さっき大口を叩いたばかりだ。ここで公衆の面前で化けの皮を剥がされたら、今後ずっと笑いものになる。

「茜姉さんってば、本当にお忙しいんですね」

「うちの会社のこと、いつも気にかけてくださって助かってます。時間ができたら、私がご馳走します。ちゃんとお礼を言わせてください!」

有村菜津美は満面の笑みを貼りつけた。

周囲に、いかにも小山茜と特別な...

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